すると、通りがかった花屋の店主が「そこの可愛いお嬢さん方、花を買っていかないかい?」と呼びこむ。
「ありがとう。でも今は急いでるからまたゆっくり寄らせてもらいますね」
丁寧に断ったアーシェリアスに寄り添うノアが、不服そうに口をへの字に曲げる。
「んー……やっぱりちょっと考えないとダメかな」
「何の話?」
「ううん。こっちの話! それよりさ、案内版だとこの辺りだったよね」
「そうね。もう一本向こうの道に入ってみようか?」
目的の宿が大通りの裏にあるかもしれないと考え、アーシェリアスたちは角を曲がって人通りの少ない道を進んだ。
そうして、宿の看板にランプロスという文字を求めて歩いていた時だ。
「モフ……? モフモフー!」
シーゾーがアーシェの周りを必死に飛んで何やらアピールする。
「どうしたの?」
「人が倒れてるって」
ノアの通訳にアーシェリアスは慌てて辺りを見回した。
すると、道の脇から丘へと上がる細く長い階段の途中に、小太りの中年男性が呻きながら身体を起こそうとしているのが見えた。
「大丈夫ですか⁉」
いち早く駆け寄ったアーシェリアスが、そっと男性の背に手を添える。
「あ、ああ……うっかり、足を滑らせてしまって……」
顔を上げた男性が、ノアを見て太い眉の下にあるたれ目を見開いた。
「……もしかして、ノア、かい?」
「んん? あれれ? バレットおじさん?」
「おお、やっぱりか。こんな可愛い子なかなかいないからすぐにわかったよ」
ほんわかした笑顔を浮かべたバレットに、ノアが「おじさん相変わらず褒め上手~」と喜ぶ。
どうやらノアの知り合いらしい。
「ありがとう。でも今は急いでるからまたゆっくり寄らせてもらいますね」
丁寧に断ったアーシェリアスに寄り添うノアが、不服そうに口をへの字に曲げる。
「んー……やっぱりちょっと考えないとダメかな」
「何の話?」
「ううん。こっちの話! それよりさ、案内版だとこの辺りだったよね」
「そうね。もう一本向こうの道に入ってみようか?」
目的の宿が大通りの裏にあるかもしれないと考え、アーシェリアスたちは角を曲がって人通りの少ない道を進んだ。
そうして、宿の看板にランプロスという文字を求めて歩いていた時だ。
「モフ……? モフモフー!」
シーゾーがアーシェの周りを必死に飛んで何やらアピールする。
「どうしたの?」
「人が倒れてるって」
ノアの通訳にアーシェリアスは慌てて辺りを見回した。
すると、道の脇から丘へと上がる細く長い階段の途中に、小太りの中年男性が呻きながら身体を起こそうとしているのが見えた。
「大丈夫ですか⁉」
いち早く駆け寄ったアーシェリアスが、そっと男性の背に手を添える。
「あ、ああ……うっかり、足を滑らせてしまって……」
顔を上げた男性が、ノアを見て太い眉の下にあるたれ目を見開いた。
「……もしかして、ノア、かい?」
「んん? あれれ? バレットおじさん?」
「おお、やっぱりか。こんな可愛い子なかなかいないからすぐにわかったよ」
ほんわかした笑顔を浮かべたバレットに、ノアが「おじさん相変わらず褒め上手~」と喜ぶ。
どうやらノアの知り合いらしい。



