破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】

 アーサーが屋敷にいるとは限らない。

 いない場合は騎士団の兵舎や城を訪ねる可能性もある。

 あちこちとアーシェリアスとノアを連れまわすより、アーサーと話をするだけなら勝手知ったるザックとエヴァンで動く方が効率がいいのだ。

「わかったわ。エヴァンさんは?」

「騎士宿舎に自分の部屋があるが、アイザック様が宿に泊まるならお供するに決まってるだろう」

 少々暑苦しいが、エヴァンの忠誠心に感服するアーシェリアス。

「それじゃあ四人分取っておくね」

「ああ、頼む」

 時間が惜しいとばかりに背を向けたザックはエヴァンを連れ、足早に人波の中に消えていく。

「じゃあ、私たちも行こうか」

 見送ったアーシェリアスとノアもまた、ザックに教えられたペルマ地区へと移動を開始した。


 レンガ造りの建物が並ぶ路地を歩き、目的の宿を探す。

「ふふ」

 ノアは歩きながら手を後ろに組んで、ニコニコとアーシェリアスを見つめた。

「どうしたの?」

「うん。なんかこうしてふたりで歩くのって初めてな気がして」

「そうだっけ?」

 ふたりといってもシーゾーもいるのだが、シーゾーはアーシェリアスとセットなのでひとりカウントになるのが定番だ。

「そうだよ。デートみたいで嬉しいな~」

 ごく自然にアーシェリアスの腕に腕を絡めるノア。

 ノアは男の子なのでアーシェリアスは少し戸惑う。

 だが、えへへとはにかむノアの可愛さにつられ、アーシェリアスも微笑み返した。