破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】

「そうだったのね。話してくれてありがとう、ザック」

「感謝するのは俺の方だ。アーシェの言葉がなければ踏ん張れなかった」

 そう告げたザックの柔らかな瞳がふいに渋くなる。

「それより問題は、俺と陛下の間にある確執がアーシェの目的の妨げになるかもしれないってことだ」

「陛下が邪魔をするかもってこと?」

「ああ。陛下が宰相との接触を嫌がれば話を聞くこともできない」

「そっか……」

 ならば書簡でのやり取りもありだろうが、ザックが陰謀を……などと余計な誤解を招く可能性もある。

「ザックの力に頼らず、アポイントを取るようにした方がいいかもしれないのね」

「その方が賢明かもしれないな。エヴァンを使う手もあるが、俺の護衛として旅に出てるのは知られているだろう」

 エヴァンに動いてもらうのも危険とわかり、アーシェリアスは他に手がないか考える。

「面識のない私では取り合ってもらえないかな?」

「マレーア領主の名は知っているだろうが、その娘となるとどうかな」

「やっぱり微妙よね」

「少し不安はあるが、王都に着いたら、まずはアーサー兄上を頼ってみる方がいいかもしれない」