破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】

「アーサー様は王位を継がないの?」

「女王陛下のお考えは俺にはわからないからな。はっきりしているのは、俺を厄介払いしたいという意図だけだ」

「もしかして、ザックが旅に出てるのって……」

「見聞を広げて来いと言われた」

 体よく城を追い出されたのだとわかり、アーシェリアスは絶句する。

「い、いいの?」

「かまわない。元々陛下から離れて自由になりたかったからな」

 そんな風に考えるほど、窮屈な生活を強いられていたのか。

 ザックが幼い頃からどんな思いで過ごしていたのかとアーシェリアスは想像し、胸を痛める。

「城が嫌いだった。王子であることが嫌だった。逃げ出したくてたまらなかった時、アーシェに出会ったんだ」

 懐古するような微笑みと、落ち着いた声色。

 アーシェリアスの脳裏に、ザックと出会った日の光景が蘇る。

「人は自由であるべきだというあの言葉が、俺の背中を押してくれた。だから、陛下の提案を快諾した」

 例えそれが、陛下の都合でいつか終わる自由だとしても。