破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】

 女王陛下とは、十七年前に崩御した国王の第一王妃ミランダ・フィレル・ファーレンのことだ。

 ザックは第二王妃シャーリーン・ジェセ・ファーレンの子なので、女王陛下とは血縁関係にはない。

「もしかして、王位継承権絡みで?」

 王族の争いといえばこれが鉄板だろう。

 ザックは「それもある」と相変わらず庭の景色を眺めながら語る。

「城に勤める重鎮たちは、第一王妃派と第二王妃派に分かれてるんだ。第二王妃……俺の母と親しかった大臣の話によると、俺が生まれた際、王妃の実家の身分が高い方の子に王位を継がせるべきだという話が出ていたらしい」

 聞きかじりだが、第一王妃と第二王妃の身分をアーシェリアスは思い出す。

「確か……第一王妃様は伯爵家のご令嬢で、第二王妃様は侯爵家の生まれよね?」

「ああ。だが、国王はどちらとも決めずに病に倒れ、崩御した」

「それで、揉めたの?」

「らしいな。俺はその頃二歳だったからまったく記憶がないが、翌年、母上が病で亡くなるとミランダ様は正式に女王の座に就いた」

 国王が亡くなった年、第一王子のアーサーはまだ九歳だった。

 ファーレン王国では十八までは王位にはつけないことから、シャーリーン王妃が亡くなったとなれば、必然とミランダ王妃が王位を受け継ぐことになる。

 だが、現在アーサーは二十六歳だ。