破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】

 アーシェリアスが牢から出てシーゾーを抱くと、ウィッグを取り手早く着替えを済ませたザックが感心する。

「力が強いと感じることはちょくちょくあったが、ここまでとはな」

「ああ、本当にな。魔物の心が読めて力にも優れている。騎士に志願してもいいかもしれないぞ」

 ザックに剣を渡して笑みを見せたエヴァンの言葉に、ノアはきょとんと双眸を丸くした。

「エヴァン、勧誘は後だ。今はここを出るぞ」

「わかりました!」

「アーシェとノアは俺の後ろに。ジェイミーはふたりの後ろを守ってくれ」

「お任せください!」

 ジェイミーが張り切って返事をしたのを皮切りに、一行は出口に向かって走り出した。

 一本だった道が三又に分かれ、エヴァンが「こっちです!」と誘導する。

 前方から襲い掛かる盗賊をエヴァンの剣が追い払うも、すぐさま盗賊らの応援が駆け付けて、行く道が塞がれた。

「どけぇぇぇっ!」

 エヴァンが叫び、道を切り開こうと果敢に敵陣に突っ込む。

 しかし、ひとりの剣を受けている隙をついて、別の盗賊が背後に回った。

 だが、すでに剣を抜いていたザックが素早く止めに入る。

「勢いに任せて突出しすぎだエヴァン!」

 エヴァンの背を斧で狙う敵の手を、ザックが切り付け諫める。

「不甲斐っ、ない!」

 気合を込めて押し返し、踏み込んで一気に敵の横っ腹を切り払ったエヴァン。

 痛みに悶絶し、冷たい地面に転がる盗賊たちの数が増えていく。