破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】

 そんな皆の視線に気付いているのかいないのか。

 ノアは息を思い切り吸って、鉄格子のドアを掴むと片足で押さえつけながせ力いっぱい引いた。


「ふんぬぅぅぅぅぅぅ!」


「まさかの力技かよ⁉」

 ジェイミーが盛大に突っ込みを入れた通り、ノアは鍵穴をどうこうではなく力で押しきるつもりらしい。

「ボクたちは! ここを! 出るんっ! だぁぁぁっ!」

 顔を真っ赤にしながら鍵を壊そうと、牢を蹴り、ドアを引っ張る。

 そうして、何度目かの同時攻撃で、ついに牢がノアの怪力に負けた。

 鍵のロック部分がひしゃげ、錆びた音を立てて扉が開く。

「ふぅ……開いたぁ」

 語尾にハートマークがつくような声で笑顔を見せたノア。

「す、すごいわノア!」

 拍手するアーシェリアスと「こ、こんな可憐な女の子が!」と驚愕するジェイミー。

「あーん、恥ずかしい。怪力なんて可愛くないから、あんまり人前では出さないようにしてたんだ」

 両手で頬を押さえてはにかむノアをアーシェリアスは高揚して見る。

「可愛いもかっこいいも持ってるなんて、最強じゃない!」

「か、かっこいい? 可愛いと、かっこいいを持ってるボクは、最強?」

 褒められたノアは、頬を赤く染めて「そ、そっか」と嬉しそうに微笑む。

(ノアが魔物たちに困れて生きていられたのは、カーシーの助けだけじゃなく、ノア自身の力もあったからかも)