破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】

「アイザック殿下ぁ! ご無事ですかあぁぁ⁉」

 大きな声で思い切り殿下呼びをされ、ザックは額に手を当て深く長い溜め息を吐く。

「兄弟揃って……」

 騒がしく短慮なクラーク兄弟に呆れる中、エヴァンは鉄格子の隙間からザックの衣服を渡す。

 その間にジェイミーは、兄が伸した見張りを縄で縛り、服を探って牢の鍵を探したのだが。

「鍵がないっ!」

 牢の鍵はだいたい見張りが持っているのがセオリーだ。

 もしくは牢の近くの壁にかけられているのが定番。

 しかし、それらしきものは見当たらず、レアケースの別場所である可能性に一同は焦りを見せた。

「つ、壺だ! 壺を割ったら鍵が出てくるかもしれない」

 テンパるジェイミーが提案したのは、覚えのあるアイテム探し方法。

「それなんのドラ〇エ」

 アーシェリアスが自分にしかわからない突っ込みをこっそり入れる中、ノアが覚悟を決めたように拳を握る。

「鍵を探してる時間はない。ボクがやってみる!」

「な、何を?」

 アーシェリアスが瞳を瞬かせて尋ねると、ノアが力こぶを作るように両肘を上げた。

「鍵開け!」

「そんな盗賊みたいなことできんのか! こんな可愛い女の子が!」

 ジェイミーが驚く中、ノアが扉の前に立つ。

 そして、ゆっくりと深呼吸したかと思えば、ドア本体の柵部分をむんずと掴んだ。

 その瞬間、誰もが「ん?」と首を傾げる。

 鍵開けをするにしては様子が変だと。