破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】

「エヴァンさん、その食材、今いくつかもらっても平気ですか?」

「ん? 別に問題ないが」

 許可を得ると、今度は奥さんと向き合う。

「奥様、キッチンをお借りしてもいいですか? ジャガイモを使って自分で晩御飯を作ろうと思うんですけど……」

「あと片づけさえしっかりやってくれるならかまわないよ」

「ありがとうございます! それと、お金もきちんとお支払いするので、豚肉と卵とパン、それから油ももらえますか?」

「もちろん。うちにあるものでいいなら使っとくれ」

 快諾してくれた宿の奥さんに再び礼を伝えると、アーシェリアスは皆を振り返った。

「ということで、私が夕飯を作るわ!」

「やったー! アーシェのご飯!」

 ノアの喜ぶ姿に、アーシェリアスも嬉しくなる。

 自分の料理を楽しみにしてくれる人がいるのは、ありがたいし作り甲斐もあるというもの。

「エヴァンさんは荷物を馬車に戻すついでに、パン粉と調味料袋を取ってきてもらっていいですか?」

「ああ、任せろ!」

 では行ってくると続けたエヴァンは、颯爽と宿を出て行った。