キミから「好き」と、聞けますように。


明日から夏休みが始まる。

日がかんかんと照っていて、すっかり真夏のように暑くて、汗が接着剤の代わりになって前髪も額にべったりとついてしまっている。


お母さんのクレープ屋さんも、もうアイス入りクレープがいつも以上に人気になっている頃だな。


そう思いながら、お母さんの手伝いでもしようと思ってクレープ屋さんに近づいているところだった。



「イチゴジェラートベリーをお願いします」



イチゴジェラートベリー……。
イチゴ味のジェラートと、ブルーベリーの入ったクレープのことだ。


お母さんが相手をしている女の子……耳に何かがついている。

キラキラした小さな飾りまでついているけれど、ついている場所が耳たぶじゃないからピアスやイヤリングとは違うし……。



「あれ、シアンじゃねーか」



「寛太じゃん!」



えっ……。


思わず、スクールバッグをボトッと落としてしまったわたし。


東條くんが、耳に何かをつけた女の子にすごく馴れ馴れしく話している。


シアン?
それが、あの女の子の名前?


女の子も、なんで東條くんを『寛太』って呼び捨てにしているの?


あの子は……うちのクラスじゃない。

仲のいい友達?
親戚?

……それとも、実は誰にも言っていないだけで、東條くんとあの女の子は付き合っているの?


スクールバッグを落とした音か、気配に気づいたのか、2人はわたしに目を向けた。



「ん?」



「ああ、温森」