待ち合わせ場所には、もうすでに彼の姿があった。



「寛太!」



ケーキの入った箱を抱えながら、わたしは寛太の元へと小走りで向かう。



「紗雪!」



大好きな声が、わたしの名前を呼ぶ。



「お誕生日おめでとう」




はにかみながら、箱を渡すわたし。


わたしに箱を差し出された彼も、照れくさそうに微笑む。


わたし達は指を絡め、わたしの家へ行く。

今日はお父さんもお母さんも仕事で遅くなるため、わたしの家で寛太の誕生日を祝うと決めたのだ。


わたしの家に入り、寛太は箱を開ける。

箱の中で現れたのは、作ったばかりのケーキ。