相変わらず、大沼くんは切なく笑っている。
「でも、無理だよね」
「えっ……?」
「もうカラオケの時から分かってた。だって温森さん、彼氏いるんだろ?」
「なんで!? いないよ!?」
さっきの大沼くんと同じくらい、わたしの声が響き渡った。
わたしは本当にいないから、いないと言っただけなのに、大沼くんは静かに首を横に振った。
「でもさ、カラオケの時に東條と2人だったじゃんか」
「東條くんは……違うんだよ」
「うん、今の温森さんはそう言う。今はそう思うかもしれないけど、東條は違うと思うよ」
「違う……?」
違うって、何が違うの?
本当に、わたしと東條くんは恋人同士でもなんでもないんだよ……?
「きっと、温森さんだってもうじき気づくって」
わたしも、もうじき気づくこと……?
大沼くんの説明が足りないのか、わたしの理解力がないのか、意味がさっぱり分からない。
わたしと言っていることは、東條くんは違う。
そしてそれがどういうことか、もうじきわたしでも分かること。
ダメだ、どうしても分からない。



