キミから「好き」と、聞けますように。


「うわっ、なんなんだよ。このドーナツ!」



次のお客さんが注文してくれた、スイーツの準備をしていた時だった。

戸田くんが、わたしの作ったドーナツに向かって顔を顰めては、勢いよく怒鳴っていた。



「かかってんのチョコか? それとも、異物でも入れたのかよ!」



わたしは、目の前が真っ暗になった。
そんなことしてない。



「お前何言ってんだよ」



「ミノリ。ちょっと、その抹茶スコーン食わしてくれよ」



ミノリと呼ばれたショートカットの女の子の抹茶スコーンを一口食べては、さらに怖い顔をした戸田くん。



「やっぱ全然美味くねえ。おい、ここどうかしてるだろ! 本物のスタバじゃないからって、変なスイーツばっか提供してんじゃねぇよ!」



心がどんどん、崩れ落ちていくような思いだった。

いつの間にか、わたしの膝は床にまで沈んでいて、スカートには涙の粒が後から後から落ちていった。


さっきまで、お客さん達の楽しそうに会話していた声も全くしなくなってしまい、沈黙が流れる。


その沈黙を突き破るように、椅子をガタン、と倒す音が聞こえた。