「すみません!!!たすけて!!!!」 微かに、そんな声が聞こえた。 言いつけを破った罪意識から早歩きになっていたわたしは足を止めてその声に耳を澄ます。 絶え間なく聞こえる助けを求める声は、後方から近づいてくるようだ。 ゆっくりと振り返ると、小走りでやってくる大人っぽい女性。 中学生相手にたすけてとは意味がわからず、何も返事をせず呆然とその美しい顔を見つめるしかなった。