次の日私はまたパニックになるのだった。

下着が真っ赤に染る。

唯一の時計代わり、生理が来た。


誘拐される前にちょうど終わったから1ヶ月経ったんだななんて呑気なことを考えているまもなく、

「カイ!
ナプキンってわかる?」


「あぁ。予備のトイレットペーパーと一緒に置いてるはずだ」

なんと用意周到なのだろうか。

また前の人の影を感じて胸がズキンとした。


汚れた下着を洗いながら、だから昨日は妙な気分が抑えられなかったんだなど1人納得する。


洗い終わって部屋に戻ると、
「不正出血か?」

カイは、また普通の中学男子は知らないような単語を口にした。
昨日の行為が響いてると勘違いしたらしい。

心配してくれてるのが嬉しくて思わず盛れる笑みを抑えながら

「違うよ、大丈夫」

と応えると、さっきまでの心配そうな顔が嘘のようにまた本へ意識を戻した。