湿気た愛

「その人は、今どこにいるの?」

何気ない質問だった。

「わからない」

カイは、何気ない回答をした。

それが、怖かった。


行方不明は無意識にも死と結びついてしまう。

「きっと、今もどこかで」
「多分死んだ」


私の言葉に被せて、残酷なことを口にした。

私を監禁している張本人たちが私を殺す映像が鮮明に想像される。

それを消し去るように頭をぶんぶんとふると、カイが私を不可解だ、と言った顔で見ていた。


怖くないのだろうか。
カイは、自分が殺されないという確信を持っているのだろうか。