「私もお風呂入りたい」

「次のご飯が届く時にハスナの服聞いてみるよ」


ご飯は何と、一日一食であるようで、時間も定まっていない。
尚更時間の検討がつかない。

水分はお風呂場でシャワーの水を飲んだりして凌いでいる。


何もしない時間が多い。

よく寝ているせいか、頭が痛いからもう寝る訳にも行かない。

カイが読む本は難しい。

私は勉強しかしてこなかったから、暇な時間をどう潰せばいいのか、その方法を知らないのだ。

だから勝手にダンボールを漁ってみたけれど、特に目につくものは何も無かった。

だから私はカイに話しかけ続けた。



「カイってトレーニングでもしてるの?」

明らかに私の学校の男子とは違う体つきをしていた。
服を着ていたら気づかないが、細いのに筋肉がとても着いている。

第一印象で痩せている、と思ったが、それはご飯の量が単に少ないだけでなく、体脂肪率がかなり低いからなのかもしれない。


「本を読むか、トレーニングするかくらいしか、やることが無い」

「トレーニングってどこで覚えたの?」

「本で。
昔健康論を読んだ時に、プランクとか、スクワットとか書いてあった。」

「本も、服と同じで入れ替わるの?」

「あぁ。言えば」

ダンボールの中にはおびただしい数の本。
まあ、この部屋で過ごすには間違いなく必要なものなのだろう。