次に目を覚ました時、わたしは薄暗いその空間に独りきりだった。

カイ、カイがいない…!

途端パニックになったわたしは部屋中をキョロキョロ見渡し、頭が真っ白になった。

カイって外に出られるの?
ずっとわたしと同じように監禁されているんじゃないの?

そんなことが頭の中をぐるぐると回るが一向に解決しない。

時計のないこの部屋は、またわたしがどれほど眠ったのかを教えてはくれないのだった。


「…ハスナ?」

頭を抱えながらキョロキョロしていると、背後から声がした。


「カイ!」

居た、扉からでてきたカイは、お風呂に入っていた様子。

トイレではないとわかるのは上半身が露になっているだっからだ。


「…!なんで服きてないの!」

「ハスナこそ、何をそんなに慌てて」

「カイがいなくなったと思って、!」

興奮が覚めない私は今だカイを直視できない。

どこからタオルを出してきたのか、綺麗なタオルで頭をガシガシと拭くカイ。

もちろんドライヤーなんかないのだろうから、早く服を着てしまわないと風邪をひいてしまう。

直視出来ないでいる私を見て、理解したようで。

「次の服、貰わないともう着きった。
ハスナもいるし、仕方なく下だけはいた」


よくよく聞くと、洗濯するものはお母さんが上へあげ、新しい服を定期的に置いていくというシステムらしい。
タオルも方式だという。

私の服事情までは分からなかったが、もうこの服も長いこと着ている。

下着もそろそろ気持ちが悪くなってきた。

実はカイが言わないだけで臭いと思われてるのではないかという心配が生まれた。