扉を開けると、ユニットバスだった。換気扇がついていて、補充のトイレットペーパーも山のようにある。
シャンプーもボディーソープもあり、この風景だけ見ると普通の家だと錯覚してしまうだろう。


用を足して元に戻ると、カイはガサゴソダンボールの中を漁っていた。

あの中に、日用品とか娯楽が入ってるのかと予想していた。

カイが取りだしたのは油性ボールペンとミニ手帳。


無言で何かを書き綴る。

書き終わったのか、見てみると衝撃の内容だった。


“言い忘れてたけど、この部屋には監視カメラが付いている。
声まで録音されてるかは分からないが念の為。
トイレへの扉に向かって右上の黒いのがカメラだ”


カイは、いつからこの部屋にいるのだろう。

こんな暗い部屋でずっとひとり、監視されていたのだろうか。

私は怖くてトイレの方を振り返ることは出来なくて、ウンウンと頷くだけでメモをカイに返した。


それから私はカイとは小声で話そうと心に決めた。