素直な君と。



嫌なんですけど。でも、転入生だし、そんな手荒なことはしたくない!

可哀想だから。

私も転入の身だからわかる。転入って、慣れてないと結構寂しい、最初。私は詩乃と理央がいたけど。でも、ちょっとだけ、寂しかった。梨花が、いなかったし……。

「ワカリマシタ……」

そう言うと、驚いたように詩乃と理央が振り返ってくる。2人とも、目がぱちくり開いていて、少し面白い。

「ちょ、藍本気?」

「何よ、詩乃。良いじゃん」

「いや……良いけど……」

んん?そんなに驚いたり、落ち込んだりすること?

むしろ、良い事だよね?だって、私が人と関わろうとしてるんだよ?

……なんでそんなに喜んでくれないの?

「良いけど、何?」

「私の藍なのに〜!!」

そこかよ!!