オイ、ちょっと待て。
「なんで私真ん中なの……」
「いーじゃん、いーじゃん。ね、今年はもちろん手作りだよね?詩乃」
理央が興味あるの詩乃だけでしょーが。
真ん中にするな、ラブラブカップルの真ん中に入れられるの、非リアの1番嫌な事だよ……。
詩乃はノリノリでチョコの話してるし。
こっそり歩くスピードを落として、2人の後ろで歩く。
2人とも笑顔で、私も少し嬉しい。
「ちょっと藍!?藍も今年こそ手作りだよね!?」
詩乃が詰め寄ってくる。
「詩乃、ごめん。面倒くさいし、渡す人2人と2人の兄弟だけだから、市販で。それとも物がいい?」
「ムードがねぇ!」
「無くて結構」
私が言い切ると、理央が、
「もうちょい乙女になったら?」
と言う。
「なんだと?私はもう乙女だろう」
「いや、男女だろ。7割男」
うわ、微妙な数字の割合……。7て。
確かに、人と無闇に距離を詰めたくないし、仲良くならなくていいから、大体の人に冷たくしてるから、男みたいってことなんだろうけど。
「何言ってるの理央!」
お、そんな事ないよって言ってくれるのかな!?
「藍の男度は半分だよ!」
うおい!半分て!変わってないよ……。
「私的には9割だけど」
「本人がノリノリになるなよ」
理央が、私が急に乗り気になったのでため息をつく。
「あ、そそ、今年はさ、映画のチケット代、ペアでってどお?」
私がその提案をすると、2人が目を見開く。何言ってんだ、て顔だけど、本気だからね?
「……市販じゃないの?チケットなんて、今年奮発!?」
チケットで喜ばれても、ちょっと複雑……。
