「あ・い!」
後ろから飛びつかれて振り向くと、満面の笑みの詩乃と、その隣でずっと詩乃を見つめている理央。
「ん、おはよ。で、ラブラブだね、今日も」
「ちょ、なっ……」
「でしょでしょ?俺らラブラブ!」
詩乃は一瞬で顔を真っ赤にし、理央はノリノリで詩乃の右手を取り、ピースをする。
ラブラブなことで、何よりです。
「ていうか、私のおかげでしょ?」
「うっ……感謝してます」
ノリノリが一変、理央が項垂れて私をお辞儀をする。
中1の頃、私は2人からお互いの恋愛相談を受けていて、焦れったくて、わざとお互いを引き合わせて、無理やりくっつかせた。
私、こう見えて恋のキューピッドなんです。
人に干渉しないと決めていたけど、詩乃とか、理央とか、2人の兄弟とかはトクベツ。
昔から、一緒だったし。
「うむ、よろしい」
何だこのキャラ。自分でやっておいて、恥ずかしくなる。
まぁ、詩乃と理央しか見てないし良いか。
「てゆーか、もうすぐバレンタインだなー!」
元気を取り戻した理央が、にっこり笑って話しかけてくる。
