それから数日後、真冬の2月の事だった。

『はーぁ、早く帰りたい……』

いつも通り、掃除をするために体育館へ向かった。
一緒の人はどうせ、いじめっ子たちに言われて来ないだろうし、面倒くさいなぁ。

そう思いながら、振り向くと、何故か梨花がいた。いつも梨花は、学校では絶対にそばに来なかったのに。

『梨花?どしたの?』

梨花に近寄ろうとしたら、急に突き飛ばされて、倉庫にしりもちを着く。

え……?ちょ、嘘でしょ?
こんな、漫画みたいなことある!?

『ねぇ梨花!?ちょっと、』

ドンドンドン!、と扉を叩いてみても、無言。

嘘、こんなことって、現実にあるんだ……。
唯一の、友達だと思ってたのに……。

『言ったでしょ、周りに誰も寄り付かないようにするって』

あぁ、これがそうなんだ……。
でも、何故だろう。いじめっ子たちの思い通りにいってしまったことよりも、

梨花に、友達だと思っていた梨花に、直接閉じ込められてしまったことが、辛くて。
悲しくて、悔しくて……。

もう、友達は作らない。
絶対に。