余りの緊張で大好きなモンブランも味わえない気がして、まず話したいことを岳さんにコソッと伝えると"椿らしいな"と笑われた。
リビングのソファーへ行くと既に四人が待っていた。
不意に岳さんが私の手を握る。
その瞬間に岳さんを見ると目が合い、"今から話すね"とサインが届く。

「父さんたち、ちょっと良いか?」

四人の前へ進み、私と岳さんは立ったまま話を始める。
全員の目が岳さんに集中したーーーーー。
こわい。

「なんだ」とお義父さんが一言。
心臓のバク音がやばい。
赤ちゃんにストレス感じさせてないか心配だよ。

「俺たちに赤ちゃんができた。
 椿は今、妊娠八週目だ。
 まだ妊娠初期で報告には早いが、これから力になって貰いたいと思っている。
 無事に出産できれば、来年の夏には孫を抱ける予定だ。
 俺たちには兄弟がいない分、四人には色々と協力して貰うことは多いと思う。
 頼りにしてます。
 宜しくお願いします。」 

凛とした表現で真剣に話してくれ、深々と頭を下げる岳さんにもう一度、恋をした。
そんな気持ち。
私も同じように頭を下げてお願いをする。

どうか、宜しくお願いします。とーーーーー