内診室から出て来たら泣いてる私を見てびっくりするよね。
またもや、背中を擦ってくれて気持ちが落ち着くように励ましてくれる。


「…岳さん、赤ちゃんに会えました。」
「うん。」


いきなりの事で一瞬、手が止まり病院内にも関わらず抱き締められて安心する。


「赤ちゃん、元気に生きてました。」
 

岳さんの表情が瞬間、安堵に変わる。
その表情を見ただけでどれ程、緊張していたかが伝わってくる


「ああ。そうか。
 良かった。
 椿、ありがとう。
 大事にしなきゃな。」
「はい。」


この一週間、正直生きた心地がしなかったと思う。
モニター越しにしか見ることが出来ない我が子をこんなにも愛おしく感じるのは母の特権なのだろうか。