「出来た?」
相当な時間が経ってしまったのだろう。
カーテンの外からしびれを切らしたかのような越水さんの声がした。
「開けるわよ?」
「開けないでっ!」
私の大きな声に越水さんの手が止まった。
「どうしたの?なにかあった?」
「ごめんなさい。でも私、やっぱり無理です」
カーテンに越水さんが手を掛けたのが見えたのでもう一度「やめてっ!開けないでっ」と大きな声を出す。
これにはさすがの越水さんでも開けることは出来なかった。
ただ、どうにかしなければ、とは思ったのだろう。
「菜那?どうしたの?」
芦屋さんを呼んできた。
「ごめんなさい。迷惑掛かるってわかっているけど、やっぱり私には無理です」
「開けるよ?」
芦屋さんの声と同時にカーテンを開ける。
越水さんが芦屋さんを呼びに行っている間に制服に着替え直していたから姿を見せても問題なかった。
ただ、すんなり出て来た私を見るなり、越水さんが芦屋さんを押しやり、目の前に飛び込んできた。


