七夕の伝説


笑顔で答えられると毒気を抜かれてしまう。

力なく笑うと、越水さんは下着を渡してきた。


「はい。じゃあまずこれに着替えてね。そしたら呼んでくれる?ドレスに着替えさせるから」

「絶対に顔は写さないように吉田さんに言っておいてくださいね」


それだけは譲れないと強く言うと、越水さんは親指を立ててウインクしながら、カーテンを閉めて出て行った。


「はあ。もう、ほんと、なんなんだろうな」


理解できない状況に堪らず文句が口から出る。

そして制服を一枚一枚脱ぐたびにため息が出る。


「なにやっているんだろう。私」


そう言いながら下着を身に着け、試着室に備えられている大きな鏡に映る自分の姿に目を向けた。

その瞬間、思考が止まった。