「ごめん」


すると、理絵は目を閉じ、小さく息を吐き出してから続きを口にした。


「私こそごめん。でもね、万が一ってこともある。その時、菜那は後悔しないのかな?だって、菜那は芦屋さんのことが好きなんでしょう?だから悩んでいるんだよね?違う?傷つけたくないって理由だけで悩んでいるの?」


理絵の確信を突く言葉が胸に刺さった。

そしてその通りだとゆっくり頷く。


「だったら願掛けの内容を変えてみたら?『恋愛をしない』じゃなくて」

「『結婚をしない』に変えたらいいのかな」


理絵の言葉を奪うようにして口にしたものの、ふたりの表情は冴えない。


「どうしてそうなるの?」


理絵に聞かれて、芦屋さんに話した子供を産まないつもりだという内容をふたりに話した。

それを聞いて、ふたりが黙ってしまったので慌てて謝る。