七夕の伝説


「なにかな?」


ワクワクしながら包みを開けると、佳苗の袋の中にはピンクのマニキュア、理絵からは星型のイヤリングが入っていた。


「可愛い」

「あら?菜那ちゃん、今日が誕生日なの?おめでとう。それ、色白の菜那ちゃんにピッタリね」


騒ぎを聞きつけたクラスメイトが私たちの周りに集まってきた。


「いいでしょー?」


あえて自慢げに見せてみると、みんなは笑ってくれた。


「早速着けたいところだけど」


黒板の上の時計に目を向ければカチッと針が動き、チャイムが鳴った。


「ホームルーム始めるぞ。席につけー」


時間に正確なオールバックが特徴の担任がドアから入って来た。


「放課後ね」


理絵の言葉に頷き、急いで机の上を片付ける。

でも授業中もプレゼントが気になって仕方なくて、放課後が待ち遠しくて時計ばかり見ていた。