突然、背後から抱き付いて来たのは島野理絵。
明るめの茶色いロングヘアに大きめな派手なピアス、パンツが見えそうなくらい短いスカートに、着崩した制服の着方は、地元で"お嬢様学校"と揶揄される当校内では異様で目立つ。
現に筋金入りのお嬢様たちは野蛮だとか言って近づかないほどだ。
でも、私は理絵の周りに流されない強さに惹かれ、今では誕生日をお祝いしてもらえるくらい仲良くなった。
「ふたりとも、本当にありがとう!」
首に巻きついている理絵の腕をギュッと握り、佳苗には笑顔を向けてお礼を言った。
理絵の温もりと佳苗の笑顔に触れて、胸がいっぱいになる。
「朝からすごーく幸せ」
「それは何より」
腕を解いた理絵は手にしていたプレゼントを机の上に置き、「開けてみて」と言う。


