七夕の伝説


どうやら父はこの理由に納得したようだ。


「不安や話が分かってくれる仲間はありがたいんだよな。父さんも菜那の病気が分かってから同じ境遇の人たちと情報共有したり、話したりして不安を和らげていたことがあったから。だから芦屋くんの気持ちは分かるよ」

「そっか。私もね、講演会聞いて自分の病気のこと、家族のことを改めて考えさせられたの。だからこれからは私もお父さんと一緒に情報共有したい。してもいい?」


聞くと、父は優しく微笑んでくれた。


「いいよ。菜那ももう高校生だもんな。自分のことを知る権利だってある。これからは一緒に勉強しよう」


そう言うと、父は食事をしながら今までどんな人たちにどんな話を聞いてきたのか、この4年間でいかに医療が進歩しているかを教えてくれた。


「難しい話だね」


父はかいつまんで私にも分かりやすく説明してくれたようだけど圧倒的に知識が足りていない。


「少しずつ学んでいけばいいさ。とりあえず今は頭使って疲れたからケーキで糖分補給しよう」

「うん。でも食べ過ぎには注意しないとね」


父はこの前の健診で血糖値が上がってしまった。

原因は生活習慣病とは違う、自己免疫の異常によって起こる1型糖尿病で、インスリンを使うことで血糖値を抑えているけれど、投薬量の調整が必要らしく、低血糖が起きないように注意しながらの生活を今、送っているのだ。


「こんな病気じゃなければな」


父は自身の体の話になると必ず口にする。