七夕の伝説


「本当に芦屋星だったんだ」


佳苗がため息混じりに言った。

理絵は驚きのあまり絶句している。


「私も夢とか妄想かとだったのかも、って思っていたから、そうじゃなくて安心したよ。それに講演会にも行けるの。なかなかチケット手に入らないんだよ。高いし。あ、でも講演会って何着て行けばいいんだろう?制服かな?」


ふたりに聞くと、ふたりとも一斉に首を振った。


「制服はないね」

「じゃあ、理絵ならどんな服装で行く?講演会だからスーツとか?」


お堅いイメージがあるからそう言ったのに、速攻で否定された。


「スーツなら制服の方がマシ。でも、芦屋星のファンも来るだろうから、目立つ方がいいよ。もしかしたら芦屋星本人に会えるかもしれないし」


そこはあまり期待していない。

会いたいかと聞かれたら会いたいとは思うけれど、会ってなにを話したらいいのか分からないし、講演会に行けることの方が正直、今は嬉しい。


「もしかしたらこれが芦屋さんからの誕生日プレゼントなのかも」


そう呟くと佳苗が言った。


「『プレゼントありがとうございます』くらいは言って来ないとね」

「それには可愛い恰好して行かないとねっ」


理絵は意気揚々にそう言うと、翌日の放課後、一緒に買い物に行く計画を立ててくれた。