七夕の伝説

この伝説を知り、読み返す度、俺はいったい、なにを試され、なにを間違えたのだろうかと考える。

俺の手元にあるのは彼女に返し忘れているハンカチと折り畳み傘。

天女の羽衣のように隠し持っていたわけではないし、彼女自ら貸してくれたものだから、これがどうしても必要というわけではなかっただろうに、これから、という時に彼女は離れていってしまった。

まるで、天女が羽衣を隠し持っていたことを知り、怒って姿を消したかのように、彼女は俺の元から姿を消したんだーーーーー。