七夕の伝説


分かって欲しいと伝わるように懇願するも、芦屋さんは首を傾げ、背後に回り込んだ。

慌ててまた腰を手で押さえる。


「見ないでくださいっ」

「うん。そうだよね。気持ちは分かる。でも大丈夫だよ。たとえ見えたとしても俺は気持ち悪いなんて思わないから。むしろお母さんと話しが出来るいい機会だって思う」


誰と話すって?

疑問が先行し、腰に当てていた手が緩む。

その隙を見て、芦屋さんは私の手を腰から退け、しゃがみ込んでから同部位に自身の手を触れた。

そして私ではない、母に話し始めた。


「菜那のお母さん。初めまして。芦屋星と言います」


芦屋さんの手が触れている部分が温かくなってきた。

まるで母の腎臓が芦屋さんの言葉に反応しているかのような錯覚をおぼえ、驚きを隠せない。

そんな私を他所に、芦屋さんは話を続ける。