「ちょっと、どうしたの?着替えていなかったの?それとも着替え直しちゃったの?下着が合わなかった?それならそう言ってくれたら縫い合わせてあげるから。どこが合わなかったのか言ってみて?」
越水さんの矢継ぎ早の質問に、何から答えていいのか分からなくて言葉が出てこない。
その代わり、というわけではないけれど、無意識に腰の位置に手を持っていくと、芦屋さんが気付いた。
「そっか」
それだけ言うと芦屋さんは「ちょっと菜那とふたりきりで話をさせてもらっていいかな?」と越水さんを含めたスタッフの方に声を掛けて席を外させた。
「もうあまり時間ないのよ?如月さんを早く家に帰してあげなきゃいけないし」
越水さんは切羽詰まった様子でそう芦屋さんに言ったけれど、芦屋さんは笑顔で「大丈夫だから」とだけ言い、越水さんの背中を押して部屋から追い出した。
パタンとドアが閉まる音がした。
直後室内は静かになる。
気まずくてどうにも落ち着かない私は、芦屋さんが振り返ったのを見て、慌てて俯く。
すると優しい声が掛かった。


