“天女の羽衣伝説”
天女の羽衣を拾った若者は羽衣の持ち主である天女に恋をした。
でも天女は羽衣がないと天に帰れないと言う。
それなら羽衣を返さなければいい、と思った若者は羽衣を持っていることを黙り、想いを伝え、ふたりは結婚する。
でも、隠し事は分かってしまうもので、天女が羽衣を見つけてしまった。
怒った天女は「私に会いたいと思ってくれるのならわらじを千足編んで竹の根元に埋めてください」と言い残して天へ帰ってしまった。
若者は言われた通りわらじを編んだ。
すると、竹が凄い勢いで成長して天に向かって伸び、その竹を登って若者は天へと向かった。
しかし、わらじが一足足らずに、後少しというところで天へ届かなかった。
天女が若者を引っ張りあげてくれたおかげで再会することが出来たけれど、ふたりの関係を反対する天帝は若者を試した。
若者に「絶対に瓜を食べてはいけない」と言いながら瓜の畑の番を命じたのだ。
にも関わらず、炎天下で暑くてのどが渇いた若者は、一つぐらいならいいだろうと畑の瓜に手を出してしまった。
言い付けを破ってしまった途端、瓜の中からあふれだした水。
その水はみるみる大きな川となり、若者と天女は川を隔てて引き離されてしまう……。