星矢一縷

「今日も思い出してくれないんだろうな…」

でも僕は最後まで彼女を愛すと決めた
いや、決めたんじゃない

愛さずにはいられないんだ




ガラッとドアを開ける

今日も彼女は窓に映る景色を眺めている

今日も、初めましてかな

そう思いながら彼女に近づく

そして



「あ!!涼太、そこにみかんあるよ、
食べて?」


夢だと思った

彼女が、僕の名前を呼んでいる


「思い、出したのか…?」


「何言ってるの、涼太。みかん、
食べない?私が全部貰っちゃうよ〜?」


本当に好きだなと思った

2年経ってもあの笑顔だけは

ちゃんと覚えていた

そして今目の前に、あの笑顔がある

2年も君の笑顔を見ていなかったのに


「みかん…?あぁ、食べるよ、食べる…」

「どうしたの?涼太まさか泣いてる?」

「え、?泣いて…ないよ、」

「ほら、おいで」

彼女が毎日していたポーズだ

彼女はいつも、両手を広げて

僕を抱き締めてくれる


「うん…!」


前よりもっと、君を強く抱き締めた