にべないオウジ



わあい。大学生になって、一人暮らしの子の家に行って、宅飲みってやってみたかったんだよね。

甘そうなチューハイを何本か入れて、何本か戻されて、代わりにビールとハイボールが足される。

私のセレクトはお気に召さなかったらしい。


「ねー、お菓子も買おう?」

「そんな食べれないだろ」


「私お麩食べたいなぁ。買っていい?ねえ、ダメ?」

「……入れろよ」


「あ、見てっ、このお惣菜。すごい。今こんなのも売ってるの?」

「カート押しながらふらふらすんな」


「わー。これ食べていいんですか?オウくーん!このベーコン食べていいんだってー!」

「そのままずっとそこで食ってろ…」


「あっ、アイスだ!ねえオウくん。食べたくない?オムライス味だって!すごくない?」

「食べたくない!!」


って、そんな怒らなくていいじゃん。

口を窄めて頬に空気を溜める。そんな私の姿を見て、オウくんはすぐに目を逸らし、舌打ちした。

楽しんでるの、私だけみたい。悲しくて、そっと手に持っていたアイスを冷たい冷凍室に戻す。