「ねえ仁見さん。キスってどういう時にするんですか?」

「ぶっ!!」


あ、食べてたラーメン吹いた。

汚いなあ。


「透子、仁見さんは女子じゃないから。そういうガールズトークみたいなのはやめてあげて。不憫だわ」


私、仁見さん、キリちゃんの三人で、大学近くのラーメン屋に来ている。

私が外食でラーメンを食べたことがないのだと言うと、仁見さんはひどく驚いて「めっちゃ美味しい店あるから!行こう!」と強引に連れてきてくれたのだ。

母には前もって「晩ご飯は外で食べて帰ります」と伝えているので、何の問題もない。


「そっかー。ごめんなさい、仁見さん」

「うん、いや、いいんだ…。でもどうして急にそんなこと考え出したの?」


仁見さんにおしぼりを渡すと、ありがとうと言って口周りを拭いた。仁見さんの言う通り、ここのラーメンすごく美味しい。ラーメンって普段あまり食べないけど、こんなに美味しいんだ。

魚介ベースの塩ラーメンを啜り、水を飲む。


「うーん、私、そういうのしたいって思ったことがないんですよね。それってきっとおかしい事なんだなと思って。ねえ、仁見さんはどういう時にキスしたくなるんですか!?」

「桐島さん助けてえ!!」


だって工藤弟も、遊馬くんも、私の事大して知らないくせに「キスしたことない」って決めつけるんだもん!