私が止めたからか、不服そうにオウくんは眉を寄せた。だって、もう十分なの。もう既に夢を見てるんじゃないかって思うの。夢だったら、覚めてもいいけど、また同じ夢を見せてほしいな。何回だっていい。何回も、同じシーンを見せてほしい。
「いっぱい、傷付けて…ごめん。俺、これからはとこに沢山笑ってもらえるように努力する。頑張って素直になる。もしまたとこを傷付けるようなことがあったら、怒鳴りつけて」
「えー、もう怒鳴りつけないよ」
「注意して。怒って。直すから。見捨てないで。とこが居なくなったら、俺は死ぬ」
「し、死なないでほしいなぁ…」
「こんな俺を好きでいてくれるのは、この世で透子しか居ないんだよ」
そんなことないと思うけど。みんなオウくんのことが大好きだよ。オウくんに惹かれて、オウくんと関わりたくて、みんな傍に寄るんだから。
だけど、そうだなぁ。その中の誰よりも、私が一番オウくんを好きな自信はあるよ。
「太っててもいい。バカでもいい。メガネでもいい。鈍臭くてもいい。だけど彼氏は作らないでほしい。俺以外の男と、付き合わないでほしい」
「うん。付き合わない」
変なの。王子様が、木Bに跪いて、今にも泣きそうな顔でお願いしている。木Bが断るはずないのに、王子様は不安なのか、ずっと眉を下げたままだ。
「この前は感情的になってごめんなさい。大好きだよ、オウくん」
その時、オウくんが見せたことない顔で安心したようにするから、息を吸ったまま止まってしまった。
これが幸せなんだと思った。好きな人と気持ちを共有し合って、何度でも伝えたくなる。何度でも気持ちを聞きたくなる。いずれウザいって言われちゃいそうだけど、それでも何度でも聞きたい。
いいよね?オウくん。

