にべないオウジ



そんなの、恥ずかしくて、たまらなくなる。


オウくんは絆創膏を貼り終えた後、丁寧にちゃんと靴も履かせてくれる。そして、黙ってもう片方の足も同じように絆創膏を貼った。

まるで、シンデレラのお姫様みたい。キリちゃんがあの写真を見せてきたせいだ。そのせいで、変なこと考えちゃう。


絆創膏を貼り終えて、また靴を履かせてくれるのかと思ったけど、自分の太ももの上に私の素足を置いたまま、オウくんは動かない。

じっと俯いたまま、固まるオウくんのつむじをまた押したい衝動に駆られたけど、今はどうしてか、してはいけない空気だと珍しく察する。



周りの観客が、次第に増えていく。

そんなものにオウくんが気にするわけもなく、縋るように、私を見上げた。

ゆらゆら揺れる瞳は、このまま涙を流してしまうんじゃないかと思えた。


「好きだ」

「え」

「好きだ、透子」

「……」

「好きだ。好きだ。好きだ。好きだ。好きだ。好きだ。好きだ。好きだ。好きだ。好きだ」

「え、あ、ちょ、待って!何回言うの、」

「5110回」

「ごっ…せんひゃく…!?」


な、なんだその数字は。怪訝な顔をしたいけど、私を見るオウくんの顔があまりに切なくて、そんな顔で見ることも出来ない。


「6歳から20歳で14年。14年×365日で5110回。だから後、5098回」

「も、もう、十分だよ!」


そんなに言われたら、熱に犯されて、しばらく動けなくなりそう。