と、その時「なんの話ー?」と遊馬くんが私たちの間に入ってきた。その声を聞いて一瞬だけ体が固まるけど、いつも通り人懐っこい笑顔を向けてくれるので、次第に和らぐ。
あの公園の時の彼はなんだったんだろう。もうその面影は、彼からは見えない。
「見て見て、透子のちょー可愛い写真」
「えっ、見せてー」
「ぎゃー!やめて!」
キリちゃんからひょいと写真を奪って、遊馬くんが高くに上げながらじっくり見上げる。そのせいで全然届かなくて、いくら跳ねても写真を奪えない。
「あは、かわいー。めっちゃ泣いてるじゃん。透子ちゃんもこんなふうに泣くことあるんだねぇ」
なんて、この前公園で見たくせに。そんなことはなかったのだというように、遊馬くんはゆるりと笑う。
「なんでこんなに泣いてんの?」
「劇でシンデレラやったんだけどさ、まぁ勿論王子様役は桜司で、透子は木の役だったのね。木はお姫様になれないーって泣いてんの」
「え、木?木って人である意味ある?面白すぎるんだけど」
「二人してバカにしよって…」
木だって重要な役立ったんだからな。登場人物が歩いているシーンはちゃんと進んでいるように見えるように、木ごと動いたりして、結構大量使ったんだからな。
さっきハンカチを置いていたテラスに着いて、やっと写真を奪い返せる。これ以上悪事を働かせないため、自分の鞄に閉まった。

