にべないオウジ



「ちょっとキリちゃんやめてよ!」

「えー、だってこの時の透子めっちゃ可愛いんだもーん」


可愛いことあるか。デレデレして写真を眺めるキリちゃんを強く睨みつける。


それは中学三年生の時、上級生は文化祭で劇をすることになっていて、私たちのクラスがシンデレラをやることになった時のこと。

私が"木B"というなんとも微妙すぎる役になって、勿論王子様はオウくん。

せめて木Aだったらいいのに、Bってまた微妙すぎることにも落ち込んでいたし、お姫様役になれないことにも悔しくて落ち込んだ記憶がある。


それで「木Bじゃ舞踏会に行けないいい」って言って泣いた時の写真だ。

先生が文化祭の思い出で何枚も写真を撮っていて、そんな写真要らないのにその瞬間に撮られた。


私ですら過去に葬りたいと思って写真を持っていなかったのに、まさかキリちゃんが持っていたとは。恥ずかしすぎるから燃やしてくれないかな。


「要る?」

「要らない!捨てて!」

「嫌だよ勿体ない!あ、桜司にあげるか」

「絶対やめて!」


こんなブッサイクな泣き顔、絶対見られたくない。その上泣いてる理由が「お姫様になれないから」なんて、恥ずかしくて消えたい。

木Bとして出られるだけでも有難いと思わないといけないレベルで地味な私が、お姫様役なんておこがましいにもほどがある。

身の程を知れ、中三の私!