………あー、最悪だ。この靴、めっちゃ痛い。靴擦れがひどい。慣れないお姉ちゃんの靴、いきなり履くんじゃなかったー。
「透子、どしたの?お腹痛い?」
「ううん、なんでもない!キリちゃん、今日は外で食べない?天気もいいし」
「あ、いいねー。賛成」
空いているテラスを見つけて、とりあえずテーブルにハンカチを置いた。二人で売店に行ってカフェオレを買う。せっかくだから今日はお弁当じゃなくてサンドイッチを買えば良かったなぁ、なんて思う。
「でさー、その時クレーマーがね、責任者どいつじゃゴルァ!!ってブチ切れてんのに、店長出てこようとしなかったんだよ。まじで有り得なくない?」
「う、うん。ていうかそんな怖いお客さん来るの?大丈夫?キリちゃんバイト先変えた方がいいんじゃない?」
「あはっ、大丈夫だよー。んもう透子ったら可愛いなぁー」
「ぐ、ぐるじいっ」
ぎゅーっと息が出来ないくらい抱きしめられるので、そのキリちゃんの腕を叩いた。
あれから怖いくらい平凡な日常が戻って、あんなに心乱れたことも夢だったみたいに普通の日々に戻る。
自分の気持ちをぶちまけて、すっきりしたからかもしれない。そりゃあ、ショックなことに変わりはないけど、今更喚いたってどうにもならないから。
私達は過去を変えることは出来なくて、未来を変えることしか、出来ないのだから。
「あ、そうそう。見て。昨日部屋片付けてたらさ、懐かしい写真出てきたの」
と、一枚の写真を出すキリちゃんに、私は思いっきり顔を歪めた。

