弓道とアーチェリーって何が違うの?
大学に入ってアーチェリーサークルに入ると言ったオウくんに聞くと、本当にうざそうな顔をされたけど、実際「うざい」と言われたけど、無愛想に答えてくれた。
弓道は、矢が的に当たるか当たらないかを競うもの。
アーチェリーは、いかに的の中心に当てられるかを点数で競うもの。
弓も矢も全然違うのだという。
一見的に当たるか当たらないかで競う弓道の方が簡単に聞こえるけど、弓道はアーチェリーよりも道具の性能が古いため、的に当たること自体が難しいらしい。
だけどどちらも弓を引いて矢を放つという点では同じなので、どちらに転向しても大して支障はないのだとオウくんは言った。
きっと、やりたいのは弓道だろうに。
彼は本心を隠して、何も思っていないふりをする。
「きゃあ、見てっ、桜司、真ん中ばっか当ててる!」
「かっこいい〜。まじで王子様みたい」
「あとで声掛けに行こうよ!」
サークルは月、木の週2回。ああ見えて意外と真面目なオウくんは、毎週サボることなく参加している。
私もサボることなく、その姿を一目見たくて、こうして物陰の隅に隠れてまるでストーカーのように眺めているのだ。

