にべないオウジ



線香花火を持って、みんなが騒ぐ広場とは少し離れて、しゃがみ込んで、ぱちぱちと花を開く火を見つめる。

私はああいう激しい花火より、線香花火の方が好きだなぁ。頑張って輝いている感じが、可愛くて、応援したくなる。


やっぱりキリちゃんが来ないって分かった時点で断れば良かったかな。なんて、私はキリちゃんがいないと何も出来ない。

一人じゃ何も出来ないんだなー。

それに落ち込んで、溜め息を吐こうと息を吸った時、オウくんが私の元まで歩いてくるので息が止まって、そのまま噎せる。


「何、んなとこで一人で線香花火してんの。根暗かよ」

「え、あ、そうかも?あっでもお構いなく!」


オウくんは、人がいっぱい居て、騒がしくて、キラキラしているところの方が似合ってる。

首を振って「来なくていい」という意思を示すと、線香花火のオレンジ色に光る粒がポトッと地面に落ちた。

あ、と地面を見ているとその隙にオウくんが隣にしゃがみ込んでくる。え、なんで。隣座るの?線香花火したかったとか?


嬉しかった。あの時、こっち向けよって言われて。誰とも付き合うなって言ってくれて。私がオウくんのこと避けてた理由も聞かないでくれて。

この人に大事にされてるんだって、自惚れたことを思ってしまった。


「……何してるの?」


しゃがんだまま、オウくんが顔を手で覆っている。いないいないばぁをする時みたいに。