「いやぁ、透子ちゃんも重症だねぇ」
「も?」
結局、遊馬くんのお願いは「今日一緒に夜ご飯食べて」というものだった。簡単すぎるお願いに少し拍子抜けしてしまう。
だけど行き先は焼肉で、私はこうやって自分で焼くタイプのお店に行ったことがないから、そわそわする。
母に突然夜ご飯いらないと言うと怒られるけど、この人の言うことを優先しないわけにもいかないので連絡を入れると、やっぱり怒られた。
はあ、帰ったあとが面倒くさそうだなあ。
「も、って他に誰かいるの?」
「それは内緒」
「……ケチ。ていうかやっぱり重症?何かの病気かな?」
「桜司のこと下心なしでは見られないのが?ふっ、くく、確かに病気かもね」
彼は塩タンが大好きらしく、永遠に塩タンばかり焼いて食べている。私も強制的に塩タンばかり食べさせられるので、そろそろカルビとかも食べたいんだけど。
「別に悪いことじゃないでしょ。人間の三大欲求なんだから。睡眠欲、食欲、」
言いながら、遊馬くんは塩タンをポンポン私のお皿に入れていく。溢れ返りそうだ。
「性欲」
トングを持ったままの彼が、にやりと笑った。

