透子ちゃんの前でもそう呼んで、その瞳を見せてあげたらいいのに。
そしたら言葉なんてなくても、お前がどれだけ透子ちゃんを思っているか、伝わるはずなのに。
それが出来ないのが、桜司なんだよなぁ。
「ダメだ。好きすぎる…」
もう一周回って可愛いよ、お前が。
「どうすんの?ほんとに透子ちゃんに彼氏が出来たら」
「そんなの絶対させない。相手に刺客を送り込んででも阻止する」
「ふは、刺客って。でも俺は時間の問題だと思うけどね」
はあ?と桜司の二つの瞳が俺を凝視し、眉を歪めた。
「透子ちゃんが頭下げた時、あの弓道部のセンス悪いTシャツ着てる男いたろ。そいつと色々話して連絡先聞かれてたからね」
「はあ!?なんで止めないんだよ!」
「なんで俺が止めるんだよ。王子様、大ピンチ〜」
「俺ですら、連絡先交換したことないのに…」
いやそれは知らねえよ。てかなんでしてないんだよ。
絶望に打ちひしがれた桜司は、またもや地面にしゃがみ込んでうわあああんと叫び出した。もうやだこの人。勘弁してくれ。

