この研究室は希の自宅と化していて、私物や食料や寝床など、この人の好き放題だ。
「おいで」とゆるりと微笑まれるから、私はすぐに彼の足の間に入る。広めのソファ。これも彼の希望で購入したもの。
この人の判断でこんなふかふかの大きなソファが購入できるのかは謎だけど、あたかも自分の所有物なのだといわんばかりの態度だ。
希の唇が、首の裏、鎖骨、こめかみに音を立てながら吸い付く。
くすぐったくて、目を細めた。
狂気的な感情、かぁ。
透子が桜司を見る感情は、そんな、相手を縛り付けるものじゃないと思うけどなぁ。
それよりもっと、純粋で、清純で、相手を慈しんでる。
桜司と依子さんを見ている時の透子は、見たこともないくらい悔しそうな顔をしていたけど、あれって狂気的に入るんだろうか。
透子が狂気的。……ないな。
「キリの悪いところを教えてあげようか」
もしかして、桜司に従うだけだった感情から翼が生えて、自分の意思で桜司を想えるようになったんじゃ?
パッと頭の中で閃いた瞬間、希が無表情で私を見下ろして、服の中に手を忍ばせてからブラのホックを外した。
私の状況なんてお構いなしで、Tシャツを胸の上まで捲りあげて胸の膨らみを舌で舐め上げる。
「俺の前で、俺以外のこと考えるとこ」
ちょっとだけ別のこと考えてただけじゃん。そんなことすら、言わせてくれない。

