うわあ、苦い。何これ。みんなこんなの今まで飲んでたの?そもそもハイボールってなに?ビールの泡がないバージョン?
苦い。熱い。喉が焼けるように、痛い。胸が苦しい。私今、きっとひどい顔してる。
ぽかんとした表情の三人が私を凝視している、ところまでは覚えているけど、それ以降、私の記憶はプツンと途絶えた。
「えー、急に一気飲みして急に寝ちゃったよ」
「二人がそんな会話するからでしょ!?あーもう、どうする?おぶって帰る?」
「いいじゃん泊まって帰れば。雑魚寝になるけど。てか桜司、真顔で写真撮るのやめて?」
「桜司、あんたなんで透子の前であんなこと話したわけ?それにその人って、透子のお姉ちゃんでしょ」
「あぁ」
「最っ低。ほんとなんでこんなやつが好きなのか分からない」
「……こいつは俺の後ろをついて歩くだけじゃダメなんだよ。もっと俺を意識して、もっと俺でいっぱいになって、俺がこいつを思うくらい、ぐちゃぐちゃになってもらわないとダメなの」
「こじらせてるねぇ」
「いやもはやこじらせてる超えて、病んでるよ」
「確かに。だから真顔で連写するのやめて」
ああ、どうしよう。ママに連絡してない。連絡もせず誰かの家に泊まるなんてしたことないから、きっと、すごく、怒られるだろうな。
だけど瞼が重すぎて、目が開けられない。
誰かが私の髪を、ひどく優しい手つきで撫でたような気がした。

